一般ニュース 11月2008年

26/11/08 正社員200人の削減を発表 − ニュージーランド航空
26/11/08 カンタス職員がシーフードとチェコを盗んで御用 − シドニー空港
26/11/08 エア・カナダとNZ航空の提携に難色 − 豪消費者委
19/11/08 農業に従事する男性の自殺者が急増 − 南オーストラリア州
19/11/08 メルボルン線を開始し次はシドニーを視野に−エアー・アジアX航空
19/11/08 昨年カンタス航空に買収提案をした投資会社が管財人の管理下に
12/11/08 自動車産業への総額34億ドルの救済パッケージを発表−連邦政府
12/11/08 9月のオーストラリアの貿易黒字が過去2番目となる15億ドルに
12/11/08 パシフィック・ブルー航空がパプアニューギニアに運航開始
05/11/08 またも政策金利を0.75%引き下げて5.25%に − 豪準備銀行
05/11/08 エア・パシフィック航空が成田線を運休
05/11/08 豪州/米国路線の自由化を検討 − アルバニーズ運輸相

                                               

11月26日2008年 正社員200人の削減を発表 − ニュージーランド航空
  ニュージーランド航空は今日、200人の正社員を削減することを発表した。 
  同社のロブ・ファイフCEOは、「人員削減の対象となるのは、長距離路線の客室乗務員、運航スタッフ、人材採用スタッフなどである。 我々は数ヶ月前から旅客の需要に合わせて輸送能力を調節してきた。 その結果、今回社員の数を見直すことになった。 今までにも社員の解雇を最低限に抑えるために、あらゆる努力を行なってきた。 パイロットに無給で休みを取らせたり、客室乗務員のパートタイム製を導入したり、個々の社員に勤務時間の短縮契約をしたり、臨時雇用者への再雇用をしなかったり、役員報酬の凍結などを行なってきた。 しかしながら、それらの努力をもってしても、余剰人員の問題を解決することが出来ない。 運航回数も減っており、特に長距離路線は、昨年度と比べて輸送能力が8%減少している。 我々は長距離路線の客室乗務員において100人を削減するために今後交渉していく、そして、その他の部署においても話をしていく。 今回の人員削減と現在検討しているすべての経費の見直しにより、2,000万ドル強の経費が節減できる。 今回の人員削減の過半数は、希望退職者の募集によって対応したい」と話した。 (Source: Aircargo Aisa-Pacific, 19/11/08 "Air New Zealand to cut staff levels ")
11月26日2008年 カンタス職員がシーフードとチェコを盗んで御用 − シドニー空港

  カンタス航空の従業員が、シドニー空港の倉庫から$7,000相当のシーフードとチョコレートを盗んで捕まった。 今年の10月、カンタス航空はオーストラリア連邦警察(AFP) に、倉庫から食品が盗まれたと届けた。 
  捜査の結果、連邦警察は28歳のカンタス職員が、71個のロブスター・テール、60キロのクルマエビ、10キロのブラックタイガー、30キロのチョコレートを盗んだことを突き止めた。 また、納入業者からカンタス航空に食品を運ぶトラック運転手も共犯の疑いで逮捕した。 (Source: ABC, 19/11/08 "Men stole seafood, chocs from Qantas")

11月26日2008年 エア・カナダとNZ航空の提携に難色 − 豪消費者

  オーストラリア自由競争・消費者委員会(ACCC)は、エア・カナダとニュージーランド航空の提携計画に対して、許可をしない方針である。 ACCCは、この提携によるオーストラリアとカナダ間のフライトの運航は、消費者にとって利益をもたらすものではないとしている。 
  両航空会社は昨年、同路線において合わせて35%のマーケット・シェアーを持っており、今後、共同でチケットの販売や宣伝を行なうことを申請している。 そして、シドニー/バンクーバー線とオーストラリアからオークランドを経由してバンクーバーに向かうフライトの全収入を一旦プールし、後で分配する方式を取る。 ACCCは同路線を運航する主な航空会社は4社で、今回の申請を許可すると、市場の競争を阻害すると懸念している。 
  オーストラリア/カナダ路線は、オーストラリアにとって13番目に大きな航空市場で、今年5月までの過去1年間の旅客数は、前年同期比で7.1%増えて44万7,000人となっている。 エア・カナダは昨年、ホノルル経由のバンクーバー便を、B777-300の機材を使用してシドニーからバンクーバーへの直行便に変更している。 エア・カナダとニュージーランド航空はACCCに対して、もし今回の提携が認められなければ、両社の運航便数を削減するかもしれないとし、今回の提携で旅客にとっては選択肢が広がり利便性が高まる。 運行時間が短縮され、オーストラリアにとってカナダがより魅力的になると反論している。 ACCC は今後も調査を続け最終の判断を行なう。 (Source: Australian, 21/11/08 "ACCC to reject airlines scheme as consumer unfriendly")

11月19日2008年 農業に従事する男性の自殺者が急増 − 南オーストラリア州
  農業に従事する男性の自殺率が、地方に住む男性平均自殺率を約50%上回り、調査機関は特にうつ病への治療に取り組むことを求めている。 長引く干ばつと社会的孤立24人という自殺率を大きく上回っている。 農業に従事する女性の自殺率は、地方に住む女性と同じ自殺率の10万人に6人となっている。 
  アデレードにあるフリンダーズ大学福祉学校のキース・ミラー教授は、「我々は、うつ病がオーストラリアの地方において問題になっていることは分かっていたが、今回初めてうつ病の影響について数字で示すことが出来た」と話す。 同教授は、最近出版された”Australian Journal of Rural Health”のなかで、過去5年間の南オーストラリア州で発生した1,033件の自殺について詳しく分析した。 同教授は、「今回の南オーストラリア州の調査結果は、オーストラリア全体にも言えることができる。 長引く干ばつが、うつ病や自殺の原因となっていることは広く知られている。 しかし、それは触媒的な働きをしているものであって本質ではない。 広範囲な問題は、地方の人々の生活様式の変化である。 農場の規模が大きくなり、仕事量も増え、近所の人たちとの交流も少なくなり、社会的に孤立することが増加してきている。 我々は調査の結果どこの地域が危険なのかを把握しており、自殺率を減らす効果的な対策が求められる。 南オーストラリア農家連盟がより主導権を握って、カウンセラーが地方の農家を訪れるようにする基金が必要となっている」と語った。 
  シドニー大学Brain and Mind Research Instituteのイアン・ヒッキー教授は、「うつ病になる率は、地方に住む人もほかのオーストラリア人も変わらない。 しかし、地方に住む人々は、自殺やアルコール依存症などの症状に発展する可能性が高い。 ということは、うつ病自体が問題ではなく、それを治療するサービスの欠如が問題である。 この部分が緊急に必要とされているのであるが、現状ではそうなっていない」と話した。 (Source: ABC/AAP, 12/11/08 "Farmers much more likely to commit suicide: report")
11月19日2008年 メルボルン線を開始し次はシドニーを視野に−エアー・アジアX航空
  エアー・アジアX航空は、新しいA330機でオーストラリアで第3番目となるデスティネーションに運航を開始し、現在第4番目となる運航先を模索している。 クアラルンプールに拠点を置く同社は、最近パースに運航を開始した後、11月12日から週4便にてメルボルンへの運航を始めた。 すでにゴールドコーストへは就航しており、次はシドニーへの運航を視野に入れている。 
  エアー・アジアX航空のアズラン・オスマン・ラニCEOは、オーストラリアでの4番目となる運航先をすぐに決めるとし、具体的な都市の名前を挙げるのは避けたが、シドニーは有力な候補であることは認めている。 同社は先週、クアラルンプールへの燃料サーチャージの廃止を発表している。 同CEOは、「今回の燃料サーチャージの廃止は、旅客が飛行機に乗って旅行しやすくするようにしている。  我々は、最近の景気減速の中でも、人々に引き続き飛行機を利用して貰いたい。 通常では旅行を考えないときでも、安価な航空運賃によって、旅行を検討してくれると信じている。 金融危機が実体経済にまで影響しているが、我々の今後3−4ヶ月間の見通しは明るい。 我々を利用してくれている旅客の中には、旅行を控える人が出てくるかもしれないが、現在フルサービスの航空会社を利用している旅客は、さらに航空運賃に対して敏感になり、割安な当社を選ぶ機会が増えることになる。 だから我々の旅客数が増えてきている」と話した。 
  同社は、メルボルン線をクリスマスの繁忙期にはデイリーで運航し、来年3月には恒常的にデイリー化する。 (Source: Australian, 14/11/08 "AirAsia flies to Melbourne and eyes Sydney")
11月19日2008年 昨年カンタス航空に買収提案をした投資会社が管財人の管理下に

  オーストラリアで知名度の高い企業の1社で、最近の世界的な金融危機によって多額の負債に苦しむアルコ・ファイナンス・グループ(Allco Finance Group)は、銀行との再建交渉に失敗し、管財人の管理下に置かれることになった。 シドニーを拠点とするこの投資会社が、今日Voluntary Administration(任意管理)の手続きを行ったことに伴い、銀行12行によるシンジケートの管財人の管理下に置かれた。 
  アルコは、昨年カンタス航空の買収提案をして失敗に終わったコンソーティアムの中で中心的な役割を果していた。 法律事務所McGrathMcNicolのTony McGrath氏とJoseph Hayes氏が管財人に任命された。 同社は証券取引所に対して書面で、「今回の任意管理の手続きは、役員が会社の将来を注意深く検討した結果である」と発表している。 
  同社は、総額6億6,700万ドルの債権を有する銀行集団との交渉が決裂したことで、金融危機による最大の犠牲者の1社となった。 昨年度(2007/08)の決算では、オーストラリアで最大の損失を出した企業の1社となり、17.3億ドルの損失を計上している。 (Source: Sunday Tines, 04/11/08 "Allco Finance Group calls in receivers") 

11月12日2008年 自動車産業への総額34億ドルの救済パッケージを発表−連邦政府
  連邦政府のケビン・ラッド首相とキム・カー産業相は、メルボルンにおいて自動車産業への総額34億ドルの救済パッケージを発表した。 政府の「A New Car Plan for a Greener Future」計画によると、現在の5億ドルの環境対応車技術革新基金(Green Car Innovation Fund)の2倍以上の13億ドルを、2009年から10年間に渡って拠出することにしている。 また、1億1,600万ドルを自動車部品業者の統合や合併の支援に充てる。 2,000万ドルを納入業者の海外サプライチェーンの支援にまわし、LPG車促進計画への支援額を1億50万ドル増額する。 しかし、2010年からの自動車関税を現在の10%から5%に引き下げることは予定通りに行なうとしている。 
  カー産業相は、「今回の救済パッケージによって技術レベルと競争力を向上させることになる。 我々はただ黙って見ているわけにはいかない、自動車業界は計画と将来のビジョンを持つことが必要で、すべての関係者とのパートナーシップも必要、投資も必要である。 今回発表された政府の救済パッケージで投資がより行ないやすくなったと思う。 自動車産業の環境対策、サプライチェーンの強化、技術の向上、国際的な契約の増加が図られる。 そして最も重要なことは雇用の創出である」と話した。 (Source: AAP, 10/11/08 "Rudd announces $3.4 billion car industry rescue package")
11月12日2008年 9月のオーストラリアの貿易黒字が過去2番目となる15億ドルに

  9月のオーストラリアの貿易収支が、8月に続いて2ヶ月連続の黒字となり、黒字額も8月から20%増えて過去2番目となる約15億ドルとなった。 今までの最大の黒字額は1997年6月であった。 輸出額が前月より8%増えて265億ドルとなり、輸入額も7%増えて250億ドルとなった。 
  連邦政府のサイモン・クリーン貿易相は、9月の数字は経済の回復を示しており、オーストラリア経済が世界的な金融危機に立ち向かう自信をうかがわせるものであると話した。 (Source: ABC, 05/11/08 "Trade surplus jumps to almost $1.5b")

11月12日2008年 パシフィック・ブルー航空がパプアニューギニアに運航開始
  バージン・ブルー航空の国際線の子会社パシフィック・ブルー航空が、11月3日にブリスベンからポートモレスビーに向かって初便を運航したことにより、オーストラリアとパプアニューギニア間の定期的な運航が始まった。  同社は、ボーイング社のB737-800を使用し、週4便(月曜日、水曜日、金曜日、日曜日)運航する。 
  バージン・ブルー航空のブレット・ゴッドフリーCEOは、「我社はすでに太平洋諸国に運航しており、今回のパプアニューギニアへの運航決定は当然の結果で、自然ななりゆきである。 オーストラリアとパプアニューギニアとは長年、経済的や文化的に強い関係がある。 今回のパプアニューギニアへの運航開始は、両国間の関係をより広げるものとなる」と話した。 (Source: LLDCN, 05/11/08 "Virgin Blue takes off to PNG")
11月05日2008年 またも政策金利を0.75%引き下げて5.25%に − 豪準備銀行
11月05日2008年 エア・パシフィック航空が成田線を運休
  フィージーのエア・パシフィック航空は、週3便運航しているナンディ/成田線を来年3月から運休する。 同社によると、運休の理由は、過去4年間で同路線の累積赤字が3,500万USドルになったためとしている。 その一方で、同社は来年6月からナンディ/香港線を週2便で運航を開始する。 (Source: Airacaro Aisa-Pacific, 02/11/08 "Air Pacific exits Tokyo")
11月05日2008年 豪州/米国路線の自由化を検討 − アルバニーズ運輸相
  連邦政府のアンソニー・アルバニーズ運輸相が、オーストラリア/アメリカ路線にほかの航空会社の参入を検討していることで、政府はカンタス航空にとって利益率の高い同路線の存在感を下げようとしている。 バージン・ブルー航空の国際長距離子会社のVオーストラリア航空は、来年2月にシドニー/ロサンゼルス間の運行を開始する。 
  アルバニーズ運輸相は、「我々の仕事は、同路線に2番目の航空会社を参入させ、それが実現するれば、自由化を検討する」と話した。  シンガポール航空とエアー・カナダが同路線の参入を希望している。 現在、オーストラリア/アメリカ路線においては、カンタス航空が全体の75%の輸送能力を持ち、ユナイテッド航空が残りは占めている。 シンガポール航空はアルバニーズ運輸相のコメントを歓迎しており、「同路線の自由化は、太平洋路線において貿易や観光の機会を最大にすることが出来る」としている。 (Source: Aircargo Asia-Pacific, 31/10/08 "Australian government looks at transpacific rights")